軽度の睡眠時無呼吸症は寝具で改善
質の良い睡眠がとれていますか?パートナーや家族から「いびき」を指摘されたら要注意。もしかしたら睡眠時に呼吸が何度も停止する「睡眠時無呼吸症候群」かもしれません。
「いびき」をテーマにしたセミナーがパラマウントベッド株式会社の直営店「眠りギャラリーTOKYO」にて開催され、太田総合病院記念研究所太田睡眠科学センター所長の千葉伸太郎先生が「睡眠時無呼吸症」について講演されました。千葉先生の講演内容を紹介します。
さて、次のうちあてはまるものはいくつありますか?
□ いつもでもどこでもぐっすり眠れる □ 最近、発言しない会議で居眠りをする □ 朝起きるとのどが痛い、年を実感する □ ふと気づくと口呼吸になっている □ 最近、夜間トイレで起きる □ 20歳時より10kg太った □ 幼少から鼻炎、歯並びが悪い □ 血縁に、いびき+心循環・脳血管障害の人がいる (千葉先生のパワーポイントから) |
千葉先生によると、ひとつでもあてはまると睡眠時無呼吸症の可能性があるそうです。睡眠時無呼吸症は、舌の付け根、首や喉周囲に脂肪がつくこと、アゴが小さいことなどが原因で、気道を空気が通るスペースがふさがれて睡眠時に呼吸が何度も止まってしまう状態です。
睡眠時無呼吸症の治療や対策をせずにそのまま放置しておくと、重い場合、高血圧、うっ血性心不全、脳梗塞、夜間不整脈、急性心筋梗塞のリスクがかなりアップしてしまうほか、居眠り運転で重大な交通事故を引き起こしてしまうリスクも高くなってしまいます。
睡眠時無呼吸症の検査ができる医療機関を受診すると、重い睡眠時無呼吸症候群の人は気道に空気を送りつづけることにより無呼吸を防ぐN-CPAP(シーパップ)や口腔内装置を睡眠時に装着するよう医師から指示されます。何と働きざかりの男性のうち22.3%、約5人に1人が治療を必要とする睡眠時無呼吸症なのだそうです。
そしてさらに驚くのは、日本人の働きざかりの男性のうち、治療は必要ない程度の軽症睡眠時無呼吸症の人は35%以上の人が該当するというデータを千葉先生が提示しました。
あごが小さい、肥満、加齢、アレルギー性鼻炎、睡眠時の体位などが睡眠時無呼吸に関連しているのではと考えられています。特に太ると舌も太くなるため、気道が詰まりやすくなるそうです。
軽症の睡眠時無呼吸症の人は、上記の高血圧や脳梗塞などになるリスクが低めでも「いびき」をかいている人が多く、パートナーやご家族に迷惑をかけている可能性が考えられます。また睡眠時に呼吸が複数回止まっているわけですから、睡眠の質も低下しています。
軽症の場合、寝ている時の姿勢が睡眠時無呼吸の症状出現に関わっている人が54.9%で、あおむけに寝ないようにして横向き(側臥位)に寝ると睡眠時の無呼吸を防止できた人が32.3%いたと千葉先生がデータを提示しました。
また、あおむけで寝る場合は、フラットなベッドで寝るよりも上半身をやや持ち上げた姿勢で寝た方がいびきを防止できたというデータもあるそうです。普通のフラットなベッドだと難しいですが、次のようなベッドだとその姿勢を保つことが可能ですね。
さらに自分に合った高さの枕を選ぶことも気道の確保に関わってくるとのこと。
寝ている時の体位を見直すことが軽度な睡眠時無呼吸症は対策が可能。睡眠の質を高めるために、今使っている寝具がご自身に合っているかどうか見直してはいかがでしょうか。
(取材/文・アンチエイジングネットワーク編集部)
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