脳の活性増進の秘訣は「ブレインフード」
新緑が美しい季節は、気持ちもシャキッとしてきますね。春は入学や新社会人、転勤など、生活の環境が変わった人も多いでしょう。そろそろ疲れが出てきてはいませんか?疲れや寝不足は、思考や行動力の低下にもつながるので、シャキッと気持ちよく一日を過ごせるように、脳の活性化をいたしましょう。
みなさんは「ブレインフード」という言葉を知っていますか?脳の活性化のために必要な栄養素、脳機能を改善するための食品の総称です。普段の食生活からもみなさんはさまざまな栄養素を摂取していると思います。ブレインフードは、身近な食材なので、簡単に意識するだけで新たな視点から食生活を垣間みることができるのではないでしょうか。
***脳をパワフルにエネルギー補給「ブドウ糖」***
ブドウ糖は糖類のひとつで単糖類です。炭水化物に含まれているでんぷん質が分解されるとブドウ糖になります。脳はどの臓器よりも多くのエネルギーを消費するにも関わらず、そのエネルギー源となるのは通常はブドウ糖だけ。しかし、脳に蓄積することができるブドウ糖はほんのわずかなのです。
身近な存在としては「白米」ですね。炭水化物の主食はブドウ糖も摂取しやすく、よく噛むことで脳の活性化にも。一日の消費エネルギー全体の20~30%もの割合をブドウ糖が占めるといいます。睡眠中にも脳はエネルギーを消費してしまい、朝にはブドウ糖はほとんどなくなってしまうので、ブドウ糖のリセットのためにもしっかり朝食をとった方がよさそうですね。
***脳の活性化とアンチエイジングの一石二鳥「クルミ」***
老化防止として注目されているナッツ類。その中でも優秀なのがクルミです。脳の活性化や健康な身体作りに有効なオメガ3脂肪酸が多く含まれています。ローストしている他のナッツ類よりもクルミは殻をむいた生の状態で食べられるの有効的なポイント。
クルミは脳みその形に似てるといわれます。これが“似類補類”という「似たものは似たものを補う」という中国医学の考えにもあるように、クルミが脳の働きをサポートしてくれるのです。脳の伝達機能や神経活動の部位、構造のひとつでもある“シナプス”を強めてくれて記憶力もアップするとか。クルミの入ったチョコレートを食べたら効果倍増かもしれませんね。
***記憶力パワーアップに「青魚」***
健康や美容など、さまざまなシーンで登場する青魚。サンマやイワシ、サバなどに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)は、学習能力の向上や記憶力強化の重要な役割をもっています。細胞膜を形成するリン脂質に含まれているのがDHAで、先ほどのクルミでも登場したシナプスの膜にも多く含まれているのです。
また、EPA(エイコサペンタエン酸)にも、血栓を防ぎ、血液中に含まれる脂質を減らす作用があります。血管の健康を保つことで、脳梗塞や脳出血などを防ぐ役割もあるので、とても有効的です。
特に有効とされる3事例をお伝えしましたが、バランスの取れた食事こそがブレインフードといえます。慌ただしい朝に食事を抜いたり、忙しいからと偏った食事になったりしないようにしたいですね。
伊能 すみ子
INOU SUMIKO
食の専門家であるフードアナリスト1級。
気象番組ディレクターを経て、日本をはじめ世界各国の料理や食文化を学ぶ。
エスニック、スイーツを中心に、様々な食の情報をテレビ、雑誌、ウェブなどのメディアにて提案、執筆。
自らのアンチエイジングフードのポイントは「スパイス」。
古代エジプトより薬として活用されたスパイスをこよなく愛する。
●ブログ『恋しいアジア』~アジアンフードディレクター伊能 すみ子~更新中
●著書●著書『マカオ行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』/div>
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